インターンシップ企業

株式会社石見銀山生活文化研究所

インターンシップ風景
■企業名 株式会社石見銀山生活文化研究所
■代表者名 代表取締役会長 松場 大吉
代表取締役所長 松場 登美
■事業内容 衣料品等の企画製造販売、飲食店の経営、古民家の再生などの衣食住に関係する事業
■本社 島根県大田市大森町ハ183
■ホームページ https://www.gungendo.co.jp/

受講生がみた「株式会社石見銀山生活文化研究所」ここがポイント

1. 企業の印象
  物を大切にする心に宿る、暮らしの美を表現する会社
株式会社石見銀山生活文化研究所は、ソーシャルな働き方、ローカルでの暮らし方に関心を持つ層にとっては、「群言堂」や「他郷阿部家」としてよく知られている会社です。
島根県大田市の山間部、世界遺産「石見銀山」で有名な大森地区にある同社のオフィスを訪ねました。オフィスは伝統的な町並みと絶妙に調和した外観となっています。しかし、一方社内に足を踏み入れると、とても機能的な空間となっていました。
オープンして10年の「他郷阿部家」では、障子ひとつをとってみても、さまざまな色や風合いの和紙を貼って修復するなど、物を大切にすることに宿る美しさを表現する暮らしの知恵が生かされていました。
今回の訪問では、「他郷阿部家」のほかに、新たにゲストハウスとしてオープン予定のリノベーション中の古民家にもご案内いただきました。もとは医院だったこの建物では、たたき土間などの設えはそのまま活かす一方、キッチンはアイランド形式として設備としては使いやすい新しい機能を取り入れられています。ここでも、新しい設備にも関わらず、どこか懐かしさを感じる繊細な工夫を施すなど、地域に根差す暮らしを体感できるようきめ細やかな配慮と同社のゆるぎない姿勢を感じました。
このほか、さまざまな風合いの古いガラスを組み合わせたり、空間の雰囲気にあわせて廃材をアレンジしたりと、随所に「あるものを大切にする・リユースする」群言堂さんの経営理念を肌で感じることができました。
2. 働くことを通じて地域の暮らしをデザインする信念の経営者
代表取締役所長・松場登美さんのお話を聞く機会を得ることができ、その語り口とお話しに感動しました。登美さんは自社のアパレルブランドのデザインもさることながら、「暮らしのデザインこそが私のやりたいこと」と現在の実践テーマを明確にお話しいただきました。
「次世代に残していくべき大森の伝統的な暮らしの美や先輩世代から継承してきた、暮らしのなかの知恵を、ゲストハウスにお迎えしたお客様に感じてほしい。そうした暮らしの価値を若いスタッフと、ともに働くことを通じて再現しながら伝えていきたい。」
「ここを訪れる若い人には、私たちの活動の輪に加わってもらうなかで、大森を好きになってほしいし、いずれはこの町に暮らしたくなるような気持になってくれたらうれしい。」
そうお話しされる登美さんの表情はとても輝いていて、どんどんお話しに引き込まれました。特に、「働くことを通じて地域の暮らしをデザインする」という言葉にはとても共感を覚え、胸を打たれました。
登美さんは、捨てられた古い道具や廃材等を活かす場をつくることは、道具を使っていた人の記憶や思いを、ともに感じながら生活できる場を創造することだと考えています。そして、過ぎた時間を共有する場をデザインするためには、「家の声を聴く」ことが大切とお話しされました。「私は“ボロの美”という言葉がすごく好き」。―このことばに込められたご自身の思いは、登美さんの素敵な生き方がひとことで言いあらわされていると思います。
3. 訪問を終えて
私自身、今回の企業訪問に参加するまでは、同じ島根県西部地域の益田市出身ですが、ふるさとを長く離れており、島根の暮らしの現実や島根県で働き、生きていくということへの実感がもてませんでした。
東京に暮らしていると、「やりたいこと」と「仕事」がかけ離れているという人も多く見受けます。
一方、登美さんは「これがやりたい」と思うことを仕事として展開されていました。それは、登美さんだけでなく、今回の企業訪問で出会ったしまねの人に共通しており、みなさん働くことを語る時の目が輝いてることがとても印象的で、「しまねで暮らすのって楽しそうだな」という感想をもつことができました。

しごとカレッジと連携して、東京都内のリトルトーキョーで開催された「ぐるりの食卓」。
島根県内企業への取材と地元の食を囲みながら、企業のみなさんと都内参加者が語らう、すてきな企画でした。

下記のリンク先からそのレポートをご覧いただけます。
ぐるりの食卓

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